最初で最後の海外旅行(その④)まとめ編
※前回からの続き
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初見の方は良ければその①からどうぞ。
↓その①↓
https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/05/28/213157
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帰国までの残り4日間は、ざっくり紹介して行く。
1日目:①〜③に書いたとおり。
2日目:小雨がぱらつく中、セブ島観光ツアーに参加する。参加費は日本ですでに支払っていた。ツアーといっても参加者は4人。セブ島のセブ市はマクタン島と違い都会だった。ぐちゃぐちゃして汚くて、見ていて楽しいものではなかった。ドライバー兼案内役のジミーは日本語が上手だった。口達者なジミーに押されて、私たち夫婦は別参加者2人の下車後も、彼の運転で2箇所ほど立ち寄ることになった。なお、言っておくが、このツアー自体最初から最後まで楽しくはなかった。そして最後に、ネットで事前に見ていた一般的タクシー料金の3〜4倍を払わされた…。(1万円くらい)
ホテルに帰ると、ベッドメイクされていたが、布団がとても湿っていた。
つらい。
3日目:スーパーマーケットと、マクタン島内の公園に行く。特に見どころは無い。
ホテル内のプールで小石を踏み、足の裏をガッツリ怪我する。
初日からもう何度も行ってるホテル内の無駄に高いレストランの味に、いい加減飽きてくる。
ご飯と味噌汁が恋しい。
4日目:ホテルから出ないことにする。
雨が強くなる。結局初日からどんどん天気が悪くなった。
手と足が痛い。
5日目:朝早く空港へ移動。空港で謎のおじさんに道を案内され付いて行く。結果大変助かったのだが、800円ほどチップを渡したがまだめちゃくちゃ要求してくる。ごめんもう手荷物検査しないと時間ないから‼︎と、無理矢理逃げる。
念願の帰国。
こうして、私の生まれて初めての海外旅行兼新婚旅行は幕を下ろした。
まさか新婚旅行で、
現地人にたかられ、カモにされ、
手と足の裏を怪我して、
満身創痍で帰ってくることになるとは思わなかった。
ぐったりしていた。
打ちのめされた。
帰りに寄ったやよい軒の美味しさに震えた。
この旅行で学んだことはいろいろあるのだが、
絶対的に言えるのは、
日本は最高だと言うことだ。
もともと海外に関心が無かったので、今まで行く機会もなかったのだが、この旅行で確信を得た。
日本は最高なのだ。
日本語が上手なジミーは30代後半?ぐらいだったが、日本に来たことは一度しかないと言う。日本が好きだし憧れるけど、旅費が高すぎるし、物価が高すぎるから行きたくても行けないのだと言う。その1度も現地の知り合いに泊めてもらったりしたのだと言う。新潟だったそうだが、雪の白さや冷たさ、そしてお米の美味しさが忘れられないと言う。またいつかきっと日本に行きたいと言っていた。
私はその日本に住んでいる。
アジアが世界が憧れる日本に住んでいるのだ。
もう私は迷わない。
私の中に、ある決意が固まった。
もう海外旅行行かない。
【最初で最後の海外旅行】終
最初で最期の海外旅行(その③)バナナボート編
※前回からの続き
マクタン島のシュノーケリング会社に戻ってきた。
もう既にそうとう濃い1日なのだが、ここからまたひと山ある。
シュノーケリング会社の前に、小汚いが一応浜辺があった。
そこで今から、ツアーオプションの「バナナボート」をやると言う。
(そういえばそんなん申し込んでた。)
前回から言ってるように、強風で海は荒れている。
特にキャンセルするかを聞かれるでもなく、あれよあれよとバナナボートへ導かれた。
(この時の私の意思の無さを、このあと悔やむことになる。)
波が打ち付ける中、ライフジャケットを着て、バナナボートにまたがる。
先頭が夫、その後ろに私、私の後ろに若い男女4人が乗った。
ちなみに、最初私が先頭にいたのだが、「先頭は女性には怖いから」と、スタッフが私と夫を交代したのだ。だが実際は、夫は私以上に絶叫マシーン等に弱い。このことが、この後のことに影響する。
モーターボートに引かれ、バナナボートが動き出した。
どんどん浜辺から離れていく。
心もとないバナナボートの上で、
沖に出るほどに心細くなる。
もといた浜辺はとうに見えなくなり、
ある程度沖合にでたところで、ボートは停止した。
海原に浮かぶ私たちの足元には、
底の見えない暗い海が広がっていた。
空はどんよりと曇り、
風がごうごうと吹き、
波は高い。
すでに嫌な汗がでていた。
そしてついに、
モーターボートが猛スピードで走りだした!
早い。
早すぎる。
こんなのイカレている。
声もでない。
全身を打つ衝撃と風と水しぶきに、
振り落とされまいと必死に持ち手を握りしめる。
恐怖は更に加速する。
現地スタッフは、ニヤつきながら猛スピードでボートを揺らす運転を始める。
もともとの波の高さも助けとなり、
猛スピードを維持しつつ、バナナボートは常軌を逸した高さで飛んでは跳ねての躍動を繰り広げる。
字で表すとなかなか伝わらないが、
本気で「死ぬ」と思った。
背後から聞こえるのは歓声ではなく悲鳴だった。
私は息を止め、持ち手を握りしめ、全神経を集中させて上下運動の衝撃に耐えた。
そして私は、もうひとつ耐えねばならないことがあった。
夫が、私の手の上に乗っているのだ。
絶叫マシーンにも乗れない夫は、この圧倒的恐怖に、先頭で必死に耐えていた。が、完全に腰が引けていたのだ。
激しい上下運動とともに、夫の尻が私の手の甲を容赦なくえぐる。
どんなに痛くても、無論絶対に持ち手を離すわけにはいかない。
痛い。
怖い。
痛い。
地獄の無限ループを、私は必死に耐えるしかなかった。
そしてついに、地獄のバナナボートタイムが終わり、浜辺に戻ってきた。
とにかく手が痛い。
見ると、右手の甲が、激しい摩擦で皮膚が剥げて、火傷のような状態になっていた。そりゃ痛いわけだ。
夫を責めることも出来ないが、
ともかく痛い。
テンションだだ下がりである。
なお、この手の甲の傷は意外と深く、治るまで半年かかることになる。
今も傷跡が残っており、いつでも新婚旅行を思い出すことができる。
こうして、
心と身体に消えない傷を残し、
ホテルに戻った私たちは、何をする気力も無く、とにかくひたすら寝るのだった。
次回へ続く。
(初日だけで①〜③になってしまいました。帰国まであと4日あるんですが、語りつくせないので次回ダイジェストで一気に畳みます。笑)
[追加]
次回 その④↓
https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/05/30/104732
最初で最期の海外旅行(その②)カルチャーショック編
※前回からの続き。
島内の集落は、スラムのようだった。
灰色の砂地の上に、建ち並ぶ簡素な家々。小屋と言った方が近い。
実際にはただ田舎なだけで、スラムとは言わないのだが、電気ガス水道等のインフラが無く、単純に生活水準が低いのだ。
一言で表現するなら、
汚い。
こんなこと言いたくないが、
不快感極まりなかった。
家と家の間の迷路のような狭い道を進まねばならず、一刻も早く抜け出したいのに、道のりは思いのほか遠かった。
家から漏れ出す謎の水(たぶん水じゃない)に濡れた砂が、ビーサンを履いた足先にまとわりつく。
汚い。とにかく汚い。
途中、こちらを意に介さずバスケットボールに興じる子供らや、
ニコニコしながら「ハロー」と言ってくる子供らがいた。
みな黒く焼け、裸足でパンツ一丁だ。
とりあえず笑顔でハローと返す。
人としての道理を忘れてはならない。
なんとか抜けて海岸にたどり着いた。
こちら側の海岸に来た観光客は、思っていたより少なかった。
海岸はたしかに綺麗だったが、あの道を抜ける価値があるかと言われると微妙だった。
ヤシの実を割ってストローをさしたヤシの実ジュースも、飲んだことがある方ならわかると思うが、青くささがありあまり美味しくはない。
さあ、
またもと来た道を戻らねばならない。
自然と来た時以上に足早になる。
途中、先程ハローと言ってきた子供らが、少し人数が増えてニコニコして立っていた。
目が合う。
次の瞬間、
私が持っていた、ふた口分ほどの水が入ったペットボトルに、子供らが笑顔で群がって来た。
!!?
訳がわからず、
ただ「ノーノー!」と言う滑稽すぎる私。
呆然と見つめる夫。
ハッキリ言ってめちゃくちゃ怖かった。
子供らは私の反応などまったく意に介さず、私が握りしめたペットボトルを笑顔で引っ張り合う。
どうすることもできず、私はペットボトルを離した。
子供らは私に目もくれず、ペットボトルを奪い合いながら消えていった。
一瞬の出来事だった。
私にはわかりえない、ペットボトルが必要な理由が彼らにはあるのだろう。
(出発前、貴重品を全てロッカーに預けさせられたのだが、その理由がわかった。)
なんとも言えない気持ち
なんとも言えない空気。
逃げるように、また足早に歩き出す。
一心不乱に歩き、船着き場まで戻ってきた。
ホッと胸を撫で下ろす。
出航まで時間があり、みな思い思いにボーっとしていた。
ふと海岸付近の桟橋の下に目をやると、大きな貝がらを持った子供が上を見上げていた。
目が合った。
まずい。
案の定、子供は貝がらを持ってすかさずこちらへやってきた。
買えと言っている。
ひたすら無視したが、なかなかいなくならない。
心を鬼にして、
キッと子供を睨みつけ、
「ノーセンキュー」と言った。
すると子供は諦めて、ほかの観光客へ向かって行った。
やがて、
出航の時間になった。
シュノーケリングツアーに参加して、
シュノーケリングできずに、
一生忘れられないカルチャーショックに打ちのめされることになるとは、思いもしなかった。
なんとも表現しがたい思いを胸に、
船はまた、荒波の中を悲鳴とともに進む。
旅はまだ始まったばかりだ。
次回へ続く
[追加]
次回その③↓
https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/05/29/235818
最初で最期の海外旅行(その①)波乱の幕開け編
30歳になる現在までで、海外に行った経験は一度きりである。
それは去年の2月、新婚旅行で、フィリピンのマクタン島に行った。
定番のハワイも考えたが、金額の違いに驚き、安いマクタン島にした。
国内は考えなかった。
新婚旅行で海外に行ったという経験が欲しかったのだ。
旅行会社のパンフレットに並ぶ、美しい海や、美しいホテルに、高まる期待。
水着にラッシュガード、水中カメラに水中バッグ、カバンのロックベルトなどなど、準備段階でそうとうな物を買い漁った。
WiFiは空港で契約した。
準備は万端。
まあ行けば何とかなるさ!心を躍らせながらマクタン島へ向かった。
まず最初の驚きは、5時間飛行機に乗ることのツラさだった。
もともと寝つきが悪い私は一睡もできず、特にすることもなく、5時間ひたすら同じ姿勢でいることに耐えた。
次に驚いたのは、ホテルに向かう道中だ。
着いたのは夜だったのだが、暗い。
すごく暗い。
街灯が少ないのだ。
そして暗い中にかすかに見える街並。
…街並…?
これは街並ではない。
ほとんどがボロ屋や空き地だ。
少ない街灯の下には、ストリートチルドレンらしき子供らや、野良犬が見えた。
衝撃で言葉を失う私たち。
荒れた道を抜けた先に、突然、大きなホテルの門が現れた。
ホテルの中は、外とは完全に別世界だった。
部屋も綺麗で、ホッと一安心し、とりあえず眠りについた。
翌日からも様々な驚きが待ち受けていた。
最終的に、その後の5日間、そのほとんどをホテルの中で過ごすことになる。
翌日はシュノーケリングツアーに参加した。
明るくなって、改めて見るホテルの外の風景は、まさに発展途上国のそれだった。
うろついている犬、ヤギ、子供。
落ちているゴミの多さ。
軒先きのニワトリ。闘鶏が盛んなのだと言う。
バスの外には、絶対に出たくない。
シュノーケリング会社には、たくさんの日本人観光客が集まっていた。
これから20分ほど船を走らせた先の小島に向かうのだが、
海は大荒れ。
日本ならまず中止だろうが、そこは、さすが海外。 船は出た。
荒波をかき分けぐんぐん進む船。
波を割る度に降り注ぐしぶきと鳴り響く悲鳴。
そして高波の中、小島から50m程離れたところで、船が止まった。
小島の周りは保護区なので、ここで潜るのだと言う。
水深は5mほどだろうか。
もう一度言っておくが、シュノーケリングである。
波が高く流されるから、船から離れるなと言う。
思ってたのと違う。
それでも、ライフジャケットを着て、みんな一応海におりた。
波が高すぎて、すぐ船に戻る者も多かった。
すぐそばに保護区を囲うための網が張られており、その上部のロープにみんなしがみついていた。
潜るどころではない。みんなひたすら襲いかかる波に備えていた。
思ってたのと違う。
ヘトヘトになってなんとか船に戻り、小島に船がついて、会場で昼食となった。
不味くはないし美味しくもない昼食を済ませる。
するとアナウンスがある。
島の集落を抜けた、島の反対側の海岸がとても美しいのだという。
そこで、ヤシの実ジュースも振る舞うから、ぜひ来いとのことだ。
当然そこへ向かうのだが、
道中の集落が、衝撃だった。
次回へ続く
[追加]
その②↓
https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/05/29/061027
姉がラインスタンプを作った
なぜか姉がラインスタンプを作りました。
私じゃありませんからね。ここ大事。
姉は昔から絵が好きで、今は沖縄で2児の母です。子供がまだ2人とも小さく、家にこもってる間の時間潰しに作ったんだとか。
家族に買ってくれと言ってきたので、私、妹、両親で買ってあげました。
結構時間かかったんだろうと思います。
愛すべき姉のために、一応ここに貼っておきます。
なんていい妹。
[ロールケーキざむらいの日常会話]
https://line.me/S/sticker/3113638
……ええ、わかりますよ。
なんとも、コメントがつけづらいんですよ。
われわれ家族の微妙な反応たるや…笑
まず、ロールケーキざむらいってなんだよ……。
なんでも、このスタンプのために考えた、渾身のキャラクターらしいです。
……らしいです。
関係ないけど、
このスタンプを買うときに、
「ロールケーキ」でクリエイターズスタンプを検索したら、
36件ヒットしました。
…クリエイターズスタンプやべぇ…。
クリエイターズスタンプと言う名の、深い深い海の底の、有象無象の中に、こんなスタンプもあるんだというお話でした。笑