愛しの彼を手に入れろ!(その①)
世の中には「彼氏・彼女ができない」「結婚できない」と嘆く方々がいらっしゃるが、
頑張って欲しい。
私は頑張った。
あんまり偉そうなこと言うとヘイトを集めそうだが、
どうかヘイトじゃなくて、
私の頑張りを褒めて欲しい。
私は今結婚3年目だが、
7年前に夫を好きになったのも、
デートに誘ったのも、
告白したのも、
その後プロポーズしたのも、
全部私だ。
(ちなみに今ちゃんと愛していただいてるし幸せなのでご安心を。)
特に、付き合うに至るまでは、今思い返しても相当頑張ったと思う。
その時の話だ。
また結構長編になりそう。
お暇な方は思い出話にお付き合いくださいm(_ _)m
私とKさん(夫のこと)は職場の同期だった。
勤務地は熊本。
私は熊本出身の地元採用。Kさんは関東出身で、東京の本社で採用後熊本に配属されていた。
お互いのことはさん付けで呼び、仕事中は敬語。
同期みんなで飲みに行くことはあるが、それ以外プライベートの関わりは無い。
完全にビジネスライクな関係でしかなく、それ以上でもそれ以下でもなかった。
でも、
私の心の中は違った。
「んはぁ〜今日もカッコイイ〜(ドキドキ)」
…と、
人知れずトキメキを感じていたのだ。
抑えきれないこの気持ち。
でもでも、
万が一、告ってフラれでもしたら、気まず過ぎて会社にも来れなくなってしまう。周りにも迷惑だ。
私はその時勤めていた職場と仕事が大好きだったので、それだけは絶対に避けねばならなかった。
成功させて、周りに秘密にしておく。
これしかなかった。
つまり攻め方としては、
同期としての立場を維持しつつ、遠回しに好きと悟らせ、彼の反応を見て、フラれないと確信できたら行って良し、ダメそうだったら「え?同期として誘っただけですけど??」といつでも逃げられる退路を残しておかなければならなかったのだ。
これは難しい。
とはいえ、
想いは募るばかり。
そしてチャンスがやってくる。
当時2年目で23歳だった私は、おじさん上司に気に入られ、しょっちゅう飲みに誘われていた。
上司はとてもいい人なのだが、一応見え方的な問題もあるので、必ず誰か誘って2人以上で行くようにしていた。
その事はみんな知っており、私が事務所で一緒に行ってくれる人を探している光景は、珍しくもなくなっていた。
そこに、その日同期で唯一出勤していたKさんを誘ったのだ。(勤務は全員シフト制だった)
快諾してくれたKさんとともに、上司と3人で楽しく飲む。
正直私はこの後のことで頭がいっぱいである。
上司は家庭があるので、それなりの時間で会はお開きとなる。
上司を見送ったところで、勝負に出た。
私「この後もう一軒だけ行こうよ!」
K「いいよー」
よっしゃ!!!!(←心の声)
近場の居酒屋で飲み始める。
私「Kさん熊本で車無いのはキツいよねぇ…。休みの日何してるの?」
K「やることないから寝てるよ」
私「たまにはどっか行こうよー。私運転好きだし、車出すよ!」
K「えーいいの?」
私「よし、そうと決まれば」
ガサガサ(シフト表出す)
私「この日休み被ってるよ。この日どっか行こう!」
K「いいよー」
私「いいの⁉︎やった!そう、私行きたいところがあるんだ。ここなんだけどね…」
行き先を提案する
K「いいねー」
私「じゃぁ決まりね!」
笑顔で解散。
よっしゃ!!よっしゃよっしゃ!!!(←心の声)
相手の本心はまっっったくわからないが、とりあえずデート(と呼んでいいのかわからないが)の約束を取り付けた。
約束の日は3週間ほど先だ。
待ちきれない。職場でもめちゃくちゃそわそわするのを必死で抑える。
先日のお礼や当日までの調整含めて、メールを送るのだが(まだガラケーの時代)、彼の返事は極めて遅く、内容もとても素っ気ない。
心を折られそうになりながらも、ついにその日がやってきた。
準備は万端。車内もピカピカ。
彼の家の前まで迎えに行く。
残念ながら天気は雨。
もともと予定していたところは、雨では楽しめないところだったので、急遽福岡の水族館へ行くことになった。
片道2時間半ほどの距離だ。雨の高速道路だし、軽自動車だし、正直結構キツい。
でもそんなことより、なにか進展があるんじゃないかとウキウキドキドキする気持ちが勝っていた。
だがその期待は裏切られる。
車内でも、水族館でも、イルカショー観てるときも、なんっっっっとも言えない微妙な距離感で過ごす私たち。
確かに私は「同期」の保険を掛けている状態だったが、とはいえ誰が見ても「いやこいつ俺のこと好きだろ」となるぐらいは確実に攻めた。
まず服装。
いつも着ないような、可愛いらしい、ビームスで買った一張羅のトップスだし、露出も大切に、下はショーパン。(若かったなぁ…)
彼を無駄に褒めまくり、
私のカメラで彼の写真を撮りまくり、
相手の服の袖を掴んだり、
嬉しい、楽しい、ハッピーな気持ちも前面に押し出した。
どんなバカでも勘違いするくらい、わかりやすく好き好きアピールしたつもりだ。
でも、全っっっ然手応えが無い。
空を掴むようとはこのことだった。
女としての自信が、尊厳が崩れていく。
来た時よりもいささか下がったテンションで帰路に着く。
帰りの運転は来た時よりさらにキツい。
運転の大変さがわからない彼は、助手席でうつらうつらし始める。
ちなみにかかった費用は全てキレイに折半だった。ガソリン代もかかっているんだけどな…それは言えなかった。
とにかく本当に何の手応えもなく、
彼を家まで送り届けて、この日は終わった。
なんだか、ドッと疲れた。
そして何より、見込みが無さそうで悲しくて落ち込んだ。
とはいえ、嫌いなやつとは2人で出掛けないだろう!?
私は諦めなかった。
次回へ続く
[追加]
その②
https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/06/01/124947