愛しの彼を手に入れろ!(その③)
※前回からの続き
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その①↓
https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/05/31/224450
その②↓
https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/06/01/124947
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「押戸石」に行ってから約1カ月後、
会社の研修費が余っているらしく、職場のメンバー数名で、関西の別拠点に研修に行くことになった。もちろん泊まりである。
なんとそのメンバーに、私と彼が含まれていたのだ。
これはジッとしてはいられない。
そこで私はまた勝負を仕掛けるのだった。
7人で参加した研修は滞りなく進んだ。
研修後の夜、ホテルはもちろん7人別々の部屋である。何故かツインしか空いておらず、7部屋ともツインだった。
部屋飲みしようとせまる先輩を追い返し、
彼にメールする。
私「忘年会のダンスの練習しよう。」
この日は12月の中旬。忘年会では同期たちでダンスを披露することになっていたが、練習を全然していなかった。なので研修行く前から、「練習しなきゃね」と言っていたのだ。
K「そうだね。やろう。」
よしっ。
実はこの数日後が彼の誕生日だったため、
私はささやかながら誕生日プレゼントを持って来ていたのだ。
シャワーを浴び、
バスローブを着て、
廊下に誰もいないのを入念に確認して、
満を持して、
向かいの彼の部屋をノックする。
私「ごめんね遅くなって。汗かいてたし気持ち悪かったから軽くシャワー浴びてた。」
K「あーうん、いいんじゃない」
私「それでね、もうすぐ誕生日でしょ?これ…」
K「え!マジで!?」
基本いつも一定な彼も、これは本当にびっくりしていた。
ちなみに渡したのは、魔女の宅急便に出てくるジジのタオル掛けである。笑
私が車にジジのぬいぐるみを乗せており、彼が「この人形かわいい」とめちゃくちゃ言っていたからであった。
K「うわぁ、これは嬉しい」
本当にわかりやすく喜んでいた。
グッジョブ私。
どうするでもなく、
とりあえずくっちゃべる。
もちろんダンスの練習はしない。
2つのベッドにそれぞれ横になり、向かい合って話していた。
バスローブを着ている私は、できる限りのチラリズムでアピールをしていたが、
案の定、何も起きない。
クッ……まぁ研修中だし当然か。
ここでは何も起きないことを理解した私は、次のステップに移る。
私「今年クリスマス休みだよね。何かするの?」
K「次の日が出勤だから実家にも帰れないし、なんもする予定無いよ。」
私「私もヒマなんだ。お互い2連休だし、泊まりで温泉に行こうよ!」
K「うん、いいよ。」
私「いいの!?」
K「うん。」
きた。
きたぞこれは。
…いやでも待てよ、
どんなスタンスなんだこれは。
いくら同期でもこれはもう向こうもわかってるだろ。…わかってないの?
旅行はめちゃくちゃ嬉しかったが、さすがに泊まりとなると、ハッキリしない関係で行くことに複雑な気持ちもあった。
とはいえ嬉しい。
部屋に戻ってからもニヤニヤが止まらなかった。
次回に続く。