ラクガキ日記

今日も元気だ空気がうまい。旦那と2人暮らしで現在妊娠中の一般人。

愛しの彼を手に入れろ!(その④)

お題「恋バナ」

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※前回からの続き

 

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その①

https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/05/31/224450

 

その②

https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/06/01/124947

 

その③

https://apiyama-apisuke.hatenadiary.com/entry/2018/06/01/130438

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時はクリスマス・イブ。

いよいよ温泉旅行当日になった。

場所は雲仙温泉の湯元ホテル。なんとなく私が決めたのだが、今思えばなんと渋いチョイス。笑

熊本港から車ごとフェリーで島原へ渡り、山を40分ほど登っていったところだ。

 

彼を迎えに行き、フェリーに乗り、ホテルへ向かう。

 

相変わらず、同期として普通に接する私たち。

 

 

いいかげんに告ればいいだろ、

とお思いかもしれないが、

前言ったとおり、仕事で気まずくなりたくないので、いける確信を得るまでは絶対に告る訳にはいかなかった。

本当にどれだけ頑張っても、確信が得られない相手だったから、でも諦められないから、ここまで来てしまったのだ。

とはいえ、好きじゃない男と泊まりで旅行にいく女だとは思われたくない。

複雑な女心を抱えて、この旅行にのぞんだのだ。

 

 

 

今から私たちは、温泉旅館の一室に一緒に泊まる。

クリスマスイブに。

2人きりで。

 

雲仙は山の上なのでとても寒く、途中チラチラと雪が降り出し、ホワイトクリスマスになる。雰囲気は抜群だ。

 

…でも付き合ってない。

ただの同期。

もう同期って何、おいしいの?泣

 

 

淡々とホテルでチェックインを済ます。

 

受付の時から夫婦と間違われ、わざわざ否定するのも面倒なのでそのまま説明を受ける。

 

仲居さん退室後、とりあえずフォローを入れる。

「なんか間違われちゃったね、ハハ…」

 

…いやほんと何なんだこれ…。

 

 

とりあえずそれぞれ温泉へ行く。

何はともあれ温泉は気持ちいい。

入念に身体を洗い、この日のために選んだかわいい下着の上に浴衣を羽織る。

 

戻ってくると、部屋食の準備が始まる。

 

ご飯はとても美味しかった。

お酒を飲みながら、会話も弾む。

 

そして夕食の片付けとともに、

仲居さんが隣同士に布団を敷いてくれた。

 

仲居さん退室後、

なんとも言えない空気に包まれる。

 

外はもう真っ暗で、雪が降っていた。

 

 

とりあえず布団の上に座る。

 

(…おいおいおいおいおい…。

ついにここまで来たぞ…。

彼も男ならさすがに何か…。)

 

 

 

 

するとここでサプライズ!

彼がGODIVAのチョコレートをプレゼントしてくれた。(GODIVAの袋持ってたのでわかってた笑)

前回誕生日プレゼントをもらったから、そのお返しだそう。

(ほんとはチョコあんまり得意じゃないけど)素直に嬉しい!もちろん思いっきり大袈裟に喜ぶ。

 

………………で?

 

…期待していたような言葉は無かった。

 

……残念ながら、「お返し」以外の意味は無かったようだ……。

 

……………。

 

 

また、何も起こらない。

 

 

 

 

発する言葉が見つからない。

 

 

沈黙の中、

布団に寝転がりテレビを見る。

私の前にテレビがあり、私の後ろに彼がいた。

 

テレビの音が響く。

 

 

 

 

 

 

 

ほんとはテレビなんか見ていなかった。

 

頭の中を様々な思いと言葉が駆け巡る。

 

彼はこの状況をどう思っているの?

目の前に寝てる私を見て何とも思わないの?

ずっと気持ちを伝えてきたつもりだけど、伝わっていないの?

こんなに意識しているのは私だけなの?

私のこと好きじゃないの?

 

この旅行も、「同期として」になるの?

 

 

…違う。

そんなの絶対に嫌だ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

彼に背を向けたまま、私はついに言葉を発した。

 

私「あのさ…」

K「うん」

私「この状況ってさ…」

K「…うん」

 

 

言葉が出ない。

 

伝えることの恐怖と、それでも伝えたいもどかしさで、胸が詰まる。

勝手に涙が出てくる。

 

 

 

私「…この状況ってさ、

好きじゃなきゃ、こんなとこには来ないよ。

好きじゃなきゃ、こんな状況にはならないよ。」

 

K「うん」

 

 

私「私は…、あなたが好きなんだよ。」

 

 

言った。

ついに言ってしまった。

涙が止まらなかった。

 

 

 

彼が、不器用に私の肩を抱いて自分の方に向ける。

 

K「うん、ごめん、そうだよね。

付き合おう!!」

 

 

 

 

 

 

ようやく、

恋が実った瞬間だった。

 

 

 

本当ーーに嬉しかった!

嬉しくて嬉しくて、一生分の嬉しいを使い切ったんじゃないかと思うくらい嬉しかった!

実際今まであれより嬉しかったことはない。きっとこれからも。

それくらい、彼が大好きだった。

 

 

なお、この日の夜は何もなかった。

紳士というより、あとちょっとの度胸が無いところも彼のいいところ。笑

 

 

こうして私と彼は晴れてカップルとなり、7年後の今日に至る。

 

 

ちなみに、ここまで読んでいて気付いただろうか。

 

彼からは一切なにもしていないことを。

 

私は今とても夫婦仲良く、幸せなのだが、

この幸せは紛れもなく、私の一途な想いと頑張りで、手に入れたものなのだ。

 

 

 

恋をしたなら行動あるのみ!幸せは自分で掴むものだと私は思う。

頑張れ乙女!

負けるな乙女!!

 

 

 

 

ちなみに、後々になって彼に当時のことを聞いたところ、

私が告白するまで、私が自分のことを好きだとは思わなかったそうだ。

 

信じられん…。

ありえねぇ…。

 

まぁ今があるからいいけどね!

 

 

長編駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

【愛しの彼を手に入れろ!】終